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2012年2月10日

新学期を控えた2、3月は、お子さんの矯正相談が増えます。
子供の矯正治療は、将来的に永久歯を抜かずに治せる可能性が大幅にアップする大きなメリットがあります。
そのためには患者さんの年齢や成長、歯のはえ方や状態を見て、1年後、2年後・・・永久歯がはえそろった時の歯並びを予想する診断力が必要とされるので矯正専門の私たちの腕の見せ所です。
これは、囲碁や将棋のプロの方が過去の経験や状況から何十手先まで先を読みながら対局するのと同じなのです。
 よく4歳前後の受け口のお子さんや乳歯がでこぼこのお子さんのお母様が 
『今から矯正治療をしなければ大変なことになる』 
と聞いて慌てていらっしゃることがあります。
確かに現状だけ見れば受け口の状態は良い状態ではありません。
何より親は不安で治療を焦るのは当然です。
しかし、乳歯の受け口は、永久歯がはえてくるときに自然に治ることがあるのです。
あごの成長も本格的に始まっていないので幼児期の受け口が将来のお顔立ちに影響することはあまりありませんので注意しながら経過観察します。
乳歯でのでこぼこも、まだあごは成長する時期ですし、どんな大きさの永久歯の前歯が生えてくるかわからないので治療せずに小学校の1,2年まで経過観察です。
でも、例外(あごが横にズレていて奥歯がかみ合わないなど)もありますので不安なときは矯正医に相談してください、そのための専門医ですから。

私たち矯正医の多くは、全ての歯が乳歯のうちの治療は不確実性が高いため、上下の前歯が永久歯になった7才前後が子供の矯正治療を開始するには適していると考えています。
それまでは、不必要な矯正治療や過剰診療を避け、適切な時期に適切な治療を勧めることが矯正医として、また子供をもつ親としての私の責任です。

ちなみにうちの娘も乳歯の途中まで受け口でしたが自然になおりました。
知っていながら 『いつ治るんだろう』 とちょっとドキドキ・・・でした。

2012年1月11日

明けまして、おめでとうございます。
今年もスタッフともどもよろしくお願いします。
今年1年は、どのような年になり、どのような人(患者さん)と出会うことになるのでしょうか。

この数年、日本経済にはあまり明るい話題はありません。
私たち歯科医療の世界も無関係とはいかず、特に3月11日に発生した東日本大震災や原子力発電所の事故以降、患者さんが激減した病院も数多くあります。
ご存知のように矯正治療は、保険の治療ではありません。 そのため他の歯科治療に比べ費用がかかります。
『 矯正歯科の専門の歯科医院は、不景気の時は患者さんが減るから大変だね 』と仲間の医師や歯科医師が心配してくれることがあります。
確かに多くの患者さんに来ていただくことは、私たちの診療に対する姿勢や患者さんに対する対応が評価され信頼していただいたという指標になります。 ただ、患者さんが多いことが全てではありません。
こんな厳しい経済状態の中でも矯正治療をしたい、子供に治療をさせたいと来院される方々の気持ちを大切にして「患者さんが患者さんを紹介してくれる」病院を目指していきたいと思います。

不景気を嘆いていても仕方ありませんよね。
今、わたしたちにできる事は、来ていただいた患者さんを快く迎え入れる診療体制や準備を怠らないことだと考えています。

2011年12月 9日

7年前の11月に開院して最初に買ったのがこの大きなクリスマスツリーです。
私の身長より大きく2mぐらいあるでしょうか。
病院の入り口に飾ってあるので、来院してきた子供たちが喜んでくれます。
この数年で身長がグンと伸びた子は、
『あれ?、ツリーもっと大きくなかった?』と不思議がります。
『いやいや、君が大きくなったんだよ』

子供の矯正治療は、ツリーを見上げていた子供たちが大きくなるまでのお付き合い。
子供たちの成長が楽しみな反面、自分がサンタの年齢に、そしてサンタの体型に少しずつ近づいていく悲しさが・・。
(フッ・・・このごろ、白髪が多くなってきたな~)。
クリスマスツリー.jpg

2011年11月 7日

今、私の後輩の矯正医が矯正歯科医院を開院しようと準備をしています。
近頃、矯正医が専門で開院することが難しくなっているので本当に頑張ってほしいですね。
でも、矯正専門の歯科医院で開院するには、実は勇気がいるのです。
国の医療費の削減に伴って経営が困難になる病院が増えていているように歯科医院でも同じ状況が生まれています。しかも、歯科医院はコンビ二より増えているのですから本当に厳しい状態です。
以前、一般の歯科医院向けの経営セミナーに参加したとき経営コンサルタントの講師の言葉に愕然としました。
「ここに矯正の専門の先生は、いらっしゃらないですよね!」と前置きした後に話し始めました。
「 保険治療の虫歯や入れ歯の治療での収益は、もう限界です。
矯正治療を積極的に取り入れましょう。 ただ、矯正専門病院に患者さんを紹介したり、非常勤の矯正専門医を雇うのは、もったいないので "ちょっと" 勉強して自分で治療しましょう。 日本の患者さんは、まだ医師や歯科医の技術や専門性ではなく近所の病院で治療を全て済ませようとするのでチャンスがありますよ。」
あまりに患者さんを無視した無責任な発言に憤りを感じました。
矯正治療は、"ちょっと"勉強してできるものではありません。大学病院の矯正科などに在籍して朝から晩まで研修して一人前になるまで最低5,6年もかかるのです。
矯正医がせっかく高度な治療技術を身につけても生かせないのなら、逆にあまり自信のない虫歯や入れ歯の治療もする一般の歯科医院として開院しなければなりません。
こんな状況ですから、矯正専門では病院が成り立たないとよく言われるのです。
実は、私も開院前に悩みましたが、" これが患者さんのためでもあると同時に私のためでもある "と自分に言い聞かせて長年取り組んできた自分の力を100%発揮できる矯正歯科に特化した専門病院にしようと最終的に決心しました。
自分の理想の病院を作れる夢や期待と患者さんが私たちの病院を選び来てくれるだろうかという大きな不安を抱えてのスタートでした。

患者さんによく「虫歯の治療は、この病院ではしないんですか?」と聞かれます。
「私よりもっと上手な先生がいますので、ご紹介しますね ! ! 」
今は、やっとこの一言を胸を張って言えるようになりました。

2011年10月26日

暑い夏も過ぎ、フッと気がつくとすっかり秋になっていました。
子供の頃は、いつも外で遊んでいたので信州の真っ赤に燃えるような山の紅葉や秋の空気の匂いで季節の変化が分かりました。
今では、一日中病院の中なので実感もなく季節が変わっていきます。
病院の中で季節感?・・・クリスマスには早いし・・・と言う訳で今月は、ハロウィンの飾りでみなさんをお待ちしています!! 

海外では子供たちは「Trick or treat!」・・何かくれないといたずらするぞ!と悪魔やお化けの仮装をして近所をまわるようですが、うちの病院では「Trick or treatment!」・・治療しないといたずらするぞ! とばかりに今日も待合室から小悪魔たちの元気な声が聞こえてきます。
ハロウィン.jpg

2011年6月28日

毎年、学校の歯科検診が終わった5月から夏休みにかけて多くの子供とお母さんが歯並びのご相談にいらっしゃいます。
お話を聞いていると歯並びや矯正について皆さん同じような誤解があります。
また、まことしやかにお母さんたちの間に言われている噂、そう『都市伝説』が沢山あるんです・・・。

【その1】
『歯並びが悪い子供がかたい食べ物をよく噛むようにするとあごが成長して、でこぼこが治ってくると言われていたのですが・・・』
よく噛むことは、消化吸収を助けることはもちろん、顎関節症予防や虫歯予防、さらには記憶力など脳の活性化に良い影響をもたらします。
ただ、残念ながら歯並びが良くなるという科学的なデーターはありません。
急にスルメやゴボウなどを食べても歯並びは良くなりませんよ。
【その2】
『成長期の子供のあごは、顔が大きくなるにつれてどんどん大きくなり、でこぼこが自然に治ったり、歯並びが良くなると聞いたのですが・・・』
歯がはえているU字型の部分(歯列弓)は、8歳前後が一番大きく成長しその後は、あまり大きな成長はありません。 
これぐらいの年齢で明らかに歯並びに問題がある場合、成長によって自然に良くなることはないのです。
【その3】
『歯が並んでいる歯列弓を広げる装置を使って子供の矯正治療したら顔が横に広がるって聞いたのですが・・・』
お顔の横幅の印象を決めているのは、頬の骨やあごのカド(通称エラ)の部分です。歯が並んでいる土台の部分を広げてもそこまで影響を及ぼすことはありません(え~と、遺伝でしょうか・・・)。
【その4】
『子供の矯正治療だけでは、でこぼこが治らないので無駄って聞いたのですが・・・』 
子供の矯正治療は、でこぼこを完全に治すための治療ではありません。
永久歯のはえるスペースをつくったり、あごの成長のバランスをとり、なるべくでこぼこがひどくならないように、でこぼこが軽度になるように治療をします。その結果として永久歯を抜かない状況を作り出し、次のワイヤーによる仕上げの矯正を簡単にすることを目標とします。
ある研究によると子供から矯正治療を始めた方は、約70%が永久歯を抜くことなく歯を並べることができるとのことですから無駄な治療ではないですよね。
ちなみに11歳前後から矯正治療を始めた場合は、逆に約70%の方が抜歯が必要になります。

『いろんな情報に惑わされちゃって・・・もっと、はやく相談にくればよかったのですね・・・』
矯正歯科専門医の私たちがもっと正しい情報を発信しなければいけないことをこの時期には、いつも痛感します。

2011年5月 5日

ゴールデンウィーク前のこの時期、新人君(新社会人の患者さん)たちは、新しい生活や新人研修の疲れが出るせいか治療中にウトウトしています。
まだ、スーツが似合わない新人君たちは、ういういしいですね。

こんな私にも、そんな時期がありました。
歯科大学の学生時代には、矯正歯科治療のトレーニングや臨床実習はないため矯正歯科医を目指すには卒後に大学病院の矯正学教室(矯正科)にすすむことになります。
入局してまず新人トレーニング(通称 新トレ)が始まります。
朝9時から昼間は、治療見学や矯正の治療学の講義、海外の論文の翻訳などの課題をこなし、夜は12時ごろまで、、ワイヤーを曲げる練習。
自由な学生生活を謳歌していた時とは一変、太陽を見ないドラキュラのような生活です。
日曜やゴールデンウィークも終わらない課題をするために大学病院へ行きましたので、どっぷり矯正漬けです。
今では、研修医でも給料はもらえますが、当時は無給でした。
まさに無給で無休です。
最初は、体力的には本当にきついのですが、不思議といやだと思ったことは一度もありませんでした。むしろ、今までにない充実感を味わっていました。
ただ、この数ヶ月の新トレが終わってもやっと矯正歯科医としてのスタート台に立っただけ。
一人前の矯正医になるには、さらに5,6年はかかります。

矯正装置がとれる1、2年後にこの新人君たちは、どんな社会人になっているか楽しみです。
新人君たちにしばしの安らぎを・・・。

2011年3月29日

こんなにひどいとは思いませんでした。
3月11日、私たちの診療室でも大きな揺れを感じました。
病院のライトや音楽が一斉に消え不気味な静寂が訪れました。
当然レントゲンも使用できませんし、ユニット(診療台)も動きません。
2時間ほど病院内でスタッフとともに待機していましたが電気がつかず、休診にしました。
しかし、その後に明らかになってくる東日本大震災の被害の大きさに愕然としました。

東日本大震災の被災者の皆様。
心よりお悔やみとお見舞い申し上げます。
また、危険を承知で原子炉で作業されている皆様には
心からお礼申し上げます。

今、私にできることは何なのでしょうか。
これからの復興には、莫大な資金とエネルギーが必要です。
私にできることは、自分の目の前の仕事を確実にこなし被災者の皆さんの分まで経済を支えることそれ以上でも、それ以下でもありません。
4月2日から大阪で開催される世界舌側矯正歯科学会は、海外の先生方の参加のキャンセルが相次いでいるようです。
日本人の私たちがひるんでいる訳にはいきません。
しっかり、勉強してきます。

家族や自分が健康で患者の皆さんと明るく笑って仕事ができること、当たり前だと思っていたことがこんなに幸せなことだったんですね。

患者様には、ご迷惑をおかけしますが計画停電のため診療時間を変更させていただくことがあります。
また、それに伴い急なご予約の変更やキャンセルをお願いすることがございますがご協力をお願いします。

2011年3月 5日

ロボットになりたい?!

子供の矯正では、取り外しの矯正装置(床矯正装置)を良く使うのでご本人の協力も必要です。
装置を使わなければ、歯は全く動かないので私たち矯正医は、あの手この手で子供たちの協力度をあげようと必死です。

『〇〇君、今回は矯正装置使ってくれたかな~』
『前よりかは、使ったけど...』
『え~、がんばって使ってくれるって約束したじゃん~』
『まあね~。でも、ぼくロボットじゃないからよく忘れちゃうんだ~』
『ロボットね・・・』

その時、ふっとある有名なロボット工学の研究者の言葉を思い出しました。
その研究者は、ロボットに人間のような人工知能を与えたいかという質問に即座にNOと答えました。
その理由は、【つらいことや悲しいことを忘れることができないから】だそうです。

『まあ、忘れることもあるよ。装置を使う時間をちょっとずつ長くしようか』


忘れるという機能も人間にとっては大切だったんですね。
あ~でも、昨日の夕食が...、あの俳優の名前が思い出せない...ひよこ

2010年12月27日

今、今年の診療が終わりました。
ほっと一息です。
今年、くらしま矯正歯科では、病院の改装をおこないました。
内装業者さんに無理を言って、夏休みのわずか3日間という短期間に手狭になった診療スペースの拡張と患者さんの模型を収納する部屋をつくってもらいました。
さらには、2名の新しいスタッフも加入し、より患者さんと向き合える体制が整いました。
スタッフは、患者さんと良く話し、コミュニケーションをとってくれるので私は治療に専念することができます。
本当に感謝しています。

今年も多くの患者さんがいらっしゃいました。
『"友達の紹介"できました!』
この言葉が私たちの病院、そしてスタッフへの最高のほめ言葉です。
来年も笑顔でみなさんをお待ちしています。ひよこ

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くらしま矯正歯科 院長 倉島茂樹

くらしま矯正歯科
院長/倉島茂樹(くらしましげき)

1995年 鶴見大学歯学部卒業
1995年 鶴見大学矯正学教室入局診療科助手
2001年 鶴見大学大学院歯学研究科(歯科矯正学専攻)修了 歯学博士号修得
2001年 日本矯正歯科学会認定医修得、裏側矯正専門歯科医院勤務
2004年 くらしま矯正歯科開設

<所属学会>
日本矯正歯科学会
日本舌側矯正歯科学会
日本成人矯正歯科学会
日本口蓋裂学会
東京矯正歯科学会